本補助事業では,省エネルギー技術の開発の一助となる基礎研究として,柔軟薄膜の挿入および超音波照射により,壁乱流に外的な波動的運動を与えることで,運動量輸送と熱輸送の関係が変化することを確認した.柔軟薄膜を用いた実験では,設置位置に応じて壁面摩擦係数とヌセルト数の変化傾向が異なり,熱輸送優位または運動量輸送優位の非相似状態が生じることを示した.超音波照射実験では,条件によって圧力損失を大きく変化させずに伝熱促進が生じる場合があり,熱輸送を選択的に変化させ得る可能性を示した.また,速度場解析から,柔軟薄膜および超音波照射はいずれも壁面近傍の乱流運動を変化させることが分かった.特に,四象限運動の変化が運動量輸送と熱輸送の非相似化に関係することが示唆された.これにより,異なる駆動方法であっても,壁面近傍の組織的乱流運動を改変するという共通の物理を通じて,乱流輸送の非相似性が生じる可能性を明らかにした. この研究は競輪の補助を受けて実施しました」